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肝機能障害とは ― 検診で指摘されたときに知っておきたいこと

健康診断で「肝機能の数値が高い」と言われ、心配になって調べる方は少なくありません。肝機能障害は特別な症状が出にくく、気づかないうちに進行してしまうこともあるため、「沈黙の臓器」と呼ばれる肝臓にとって重要なサインです。ここでは、肝機能障害とは何か、原因や検査の見方、治療や生活改善のポイントについて、わかりやすく解説します。

肝臓は何をしている臓器?

肝臓は、私たちの体の中で非常に多くの働きを担っています。

  • 代謝(栄養をエネルギーへ変換)
  • 解毒(アルコールや薬、老廃物を処理)
  • 胆汁の生成(脂肪の消化を助ける)
  • 栄養の貯蔵(糖・ビタミンなど)

これらの働きが低下することで、疲れやすさ・食欲不振・むくみなどの症状が出ることがありますが、多くの場合は初期段階では無症状です。

数値が高いってどういうこと?(AST・ALT・γ-GTP)

肝臓の検査でよく見かけるのが、AST(GOT)・ALT(GPT)・γ-GTPの3つです。

  • ALT:肝臓の細胞に多く、肝臓の障害を反映しやすい
  • AST:肝臓以外(心臓・筋肉)にも存在するが、肝障害でも上昇
  • γ-GTP:特にアルコール摂取や脂肪肝で上昇しやすい

これらの数値が高くなる理由はさまざまですが、「肝臓の細胞がダメージを受けている」サインだと考えてください。

肝機能障害の主な原因

肝機能障害は、生活習慣から起こるものからウイルス性のものまで多岐にわたります。

  • 脂肪肝(最も多い原因)
    肥満・糖尿病・高脂血症・過食・運動不足。アルコール性・非アルコール性の両方がある。
  • アルコール
    毎日の飲酒や大量飲酒で肝臓が疲弊し、数値が上昇。
  • 薬剤性
    市販薬や漢方・サプリメントでも起こることがある。
  • ウイルス性肝炎(B型・C型)
    専門的な治療が必要です。今は内服薬で肝炎ウィルスをコントロールすることができます。
  • 自己免疫性疾患

肝機能障害は治せる場合が多い

多くの肝機能障害は、原因を取り除き生活習慣を整えることで改善が期待できます。

  • 体重を5~10%減らすだけで脂肪肝は大きく改善
  • 飲酒量を減らす
  • 運動習慣をつける
  • 食習慣の見直し:糖質・脂質のとりすぎに注意し、野菜や魚を多く

薬剤性の場合は中止するだけで改善することもあります。


当院での診療について

当院では、経験豊富な肝臓病専門医が、血液検査、エコー、CT などを用いて肝臓の状態を詳しく評価します。肝機能障害といっても原因は人によって異なるため、個々の背景に合わせた治療と生活指導を行っています。

症状にお悩みの方へ

私たち松田病院は岡山県倉敷市にある、消化器がんを中心に、整形外科・泌尿器科など外科系に強みを持つ専門病院。
大病院に劣らぬ技術と小回りの利く対応で、地域医療を支えています。

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